庭木の剪定時期はいつ？種類別の一覧表と剪定のコツ・やり方
庭木は適切な時期に適切な方法で、剪定をおこなうことが大切です。この記事では、庭木の適切な剪定時期や剪定方法について解説します。
目次
- ○ 庭木の剪定時期とは？
- ・冬季剪定
- ・夏季剪定
- ・剪定をしてはいけない時期
- ○ 庭木の種類別！剪定時期の説明
- ・常緑広葉樹の剪定時期は3月下旬〜6月
- ・常緑針葉樹の剪定時期は3〜4月
- ・落葉広葉樹の剪定時期は12〜2月
- ○ 剪定のコツ
- ・忌み枝を見分ける
- ・枝の太さに合わせて切る
- ○ 素人はこれを押さえておこう！基本の剪定方法
- ・透かし剪定
- ・整姿剪定
- ・切り戻し剪定
- ・切り詰め剪定
- ・花がら摘み
- ○ 庭木の剪定に必要な道具とおすすめアイテム
- ・剪定バサミ
- ・剪定ノコギリ
- ・刈り込みバサミ
- ・植木バサミ
- ・高枝切りバサミ
- ・その他の道具
- ○ 庭木の剪定をプロに依頼した場合の料金相場
- ○ 庭木を剪定して庭の景観を整えよう
庭木の剪定時期とは？
庭木の剪定時期は、庭木の種類によって異なります。
しかし基本的には、果樹がエネルギーを貯めている「冬」(10～2月)と生育が盛んな「夏」(4～6月)、2つの時期に剪定をおこないます。
冬季剪定
冬季剪定は、春から夏にかけて、樹木が順調に成長できるように枝葉を整えておく作業です。余分な枝葉を落とすことで、木が成長に必要なエネルギーを蓄えられます。
冬季剪定の時期は樹木によって異なりますが、10〜2月におこなわれることが多い傾向にあります。
夏季剪定
夏季剪定は、伸びすぎた枝葉をカットして、形を整えるのが大きな目的です。また、不要な枝を切り落とすことで、風通しや採光をより良くする目的もあります。
夏季と名がついていますが、剪定をおこなう時期は本格的に暑くなる4〜6月ごろが一般的です。
剪定をしてはいけない時期
剪定を避けたほうが良い時期は、真夏です。真夏は庭木がもっとも成長する時期です。その時期に枝葉を切り落としてしまうと、庭木は切り落とされた分だけ成長をしようとして、養分をどんどん消費してしまいます。
その結果、庭木が枯れたり弱ったりすることも考えられます。
庭木の種類別！剪定時期の説明
１．冬季（12月〜2月）：冬季は多くの落葉樹の休眠期であり、この時期には主に落葉樹の剪定が行われます。葉が落ちている間に行うことで、樹木の形を整えることができます。また、寒冷地域では冬季に果樹の剪定も行われます。
２．春季（3月〜5月）：春季は多くの植物が新芽を出し始める時期であり、この時期には多くの落葉樹や花木の剪定が行われます。花木の場合、花後に枝を切り戻すことで次の花芽の形成を促すことができます。
３．夏季（6月〜8月）：夏季は成長期であり、この時期には成長が盛んな木や灌木の剪定が行われます。ただし、花木の剪定は花後に行われることが多いため、夏季は主に成長を抑制するための細かな調整が行われます。
４．秋季（9月〜11月）：秋季は落葉樹の葉が色づき始める時期であり、この時期には主に落葉樹の剪定が行われます。また、秋季には果樹の収穫後に剪定が行われることもあります。
しかし、植物の種類や地域の気候条件によって異なるため、具体的な剪定時期は植物の特性や地域の環境によって異なります。そのため、剪定を行う際には、植物の種類や成長状況、剪定の目的などを考慮して最適な時期を選択することが重要です。また、植物の健康や美しさを損なわないように注意深く行うことが大切です。
常緑広葉樹の剪定時期は3月下旬〜6月
オリーブ、アオキ、ソヨゴなどの、常に緑を携えた木を常緑広葉樹と呼びます。葉の形は幅広で平べったい点が特徴です。
剪定は新芽が出てくる直前か、ある程度の数の新芽が顔を出した時期がおすすめです。
一方で、花の芽が見え隠れする時期に剪定をしてしまうと、花の咲きが悪くなります。夏の開花時に庭木が寂しい状態になるため、剪定は夏が始まる前に済ませたほうが安心です。
常緑針葉樹の剪定時期は3〜4月
常緑針葉樹とは、松やスギ、モミの木などが該当します。針状の細長い葉や尖った葉は、常緑針葉樹に該当します。1年を通して葉を落とさず、常に豊かな緑を携えているのが特徴です。
常緑針葉樹は本格的に芽吹く前の春先に、基本剪定で枝葉を整えます。秋から冬にかけて軽い剪定をおこなうことで、枯れ枝が庭に落ちるのを防ぎます。
落葉広葉樹の剪定時期は12〜2月
イロハモミジ、アオダモ、ジューンベリー、ハナミズキなどの庭木は落葉広葉樹に該当します。基本剪定は成長を止める冬におこなうのが一般的です。
枝ぶりを確認しながら、次の年に美しく成長できるように、形を整えつつ剪定を進めます。
剪定のコツ
・忌み枝を見分ける
・枝の太さに合わせて切る
詳しい内容について、解説します。
忌み枝を見分ける
忌み枝（いみえだ）を見分けるためには、いくつかの特徴に注目する必要があります。忌み枝とは、樹木の健康や形態に悪影響を及ぼす可能性がある枝のことです。
まず、忌み枝は樹木の中心部に向かって成長する「内向き枝」や、他の枝と交差する「交差枝」など、適切な成長パターンを妨げる傾向があります。これらの枝は樹木のバランスを崩し、日光の供給や風通しを悪化させる可能性があります。
また、忌み枝は樹木の形態や美観にも悪影響を及ぼすことがあります。たとえば、樹木の外側に向かって急激に伸びる「ウィスカーブランチ」や、長い水平枝（リーダーブランチ）の中央に生じる「トップ重り枝」などがそれに該当します。
さらに、忌み枝は健康上の問題を引き起こす可能性もあります。枯れた枝や病気に冒された枝、ダメージを受けた枝は、樹木全体の健康を損なう恐れがあります。また、枝同士がこすれたり、交差したりすることで傷が生じ、病原菌や害虫の侵入経路となることもあります。
忌み枝を見分けるには、定期的な樹木の観察が重要です。枝の成長状況や形態、健康状態を注意深くチェックし、不適切な枝を早期に見つけ出し、適切な剪定を行うことが大切です。
枝の太さに合わせて切る
枝を切り落とす際は、枝の太さに合わせて切り方を変えます。
基本的には枝に対して垂直にカットをしても問題ありませんが、硬い枝は少し斜めに切り込みを入れるのがおすすめです。枝に負荷がかからず、樹木が傷つくのを防げます。
また、太すぎる枝は何回かに分けて切断することも忘れたくないポイントです。枝同士が混み合っている箇所は、左右のバランスを見ながらカットを進めてください。
素人はこれを押さえておこう！基本の剪定方法
透かし剪定
整姿剪定
切り戻し剪定
刈り込み剪定
切り詰め剪定
花がら摘み
それぞれの剪定方法についてご紹介します。
透かし剪定
透かし剪定は、植物の枝を特定の形状や模様に整える剪定方法です。この剪定方法では、植物の葉や枝を通して外部の景観や建造物が透けるような美しい景観を作り出すことを目指します。
透かし剪定の主な目的は、景観の開放感や視覚的な深みを生み出すことです。これにより、庭や景観のデザインに奥行きや立体感を与えることができます。また、植物の枝を適切に配置することで、日光や風の通り道を確保し、植物の健康を促進します。
透かし剪定の手法は植物の種類やデザインによって異なりますが、一般的には次のような手順で行われます。まず、植物の成長パターンや枝の配置を考慮して、剪定する部位を選定します。次に、不要な枝や密集した枝を取り除き、植物の内部に空間を作ります。最後に、必要に応じて枝の長さや形状を調整し、美しい景観を作り出します。
透かし剪定は、植物の成長や景観の変化に応じて定期的に行う必要があります。適切な剪定を行うことで、植物が健康で美しい姿を保ち、庭や景観がより魅力的になります。
整姿剪定
整姿剪定は、樹木や庭木を美しい形に整えるための剪定方法です。この剪定方法では、樹木や庭木の成長パターンや形態を考慮し、バランスの取れた形に整えることを目指します。整姿剪定は、樹木や庭木の健康や美しさを維持し、景観や環境に調和した姿を作り出すことを目指します。
整姿剪定の主な目的は、以下の点にあります：
形態の整理とバランスの調整：整姿剪定により、樹木や庭木の形態やバランスを整えることができます。不要な枝や密集した枝を取り除き、樹木や庭木の健康的な成長を促進します。
美しい景観の創造：整姿剪定は、美しい景観を創造するための重要な手法です。樹木や庭木を整えることで、庭や公園、街路樹などの景観が美しくなり、人々の目を楽しませます。
日光や風の通り道の確保：整姿剪定により、樹木や庭木の内部に空間を作ることができます。これにより、日光や風が樹木や庭木の全体に適切に行き渡り、健康的な成長を促進します。
安全性の確保：整姿剪定は、樹木や庭木の枝が建物や電線に接触するのを防ぎ、安全性を確保する役割も果たします。適切な剪定により、樹木や庭木の枝が建物や通行人に危険をもたらすことを防ぎます。
整姿剪定は、樹木や庭木の種類や成長状況に応じて適切な手法やタイミングで行われることが重要です。また、専門知識や経験が必要な作業であるため、熟練した専門家によって行われることが推奨されます。
切り戻し剪定
切り戻し剪定は、植物の成長を制御し、健康な成長を促すために行われる剪定方法です。この剪定方法では、植物の枝や茎を適切な長さに切り戻すことで、成長のバランスを調整し、樹木や庭木の形態を整えます。
切り戻し剪定の主な目的は以下のとおりです：
成長の調整：植物が不適切な方向や速度で成長している場合、切り戻し剪定によって成長を調整することができます。特に、枝や茎が過度に伸びている場合や、不均等な成長が見られる場合に効果的です。
新たな成長の促進：切り戻し剪定によって、新たな芽や側枝の発生を促進することができます。これにより、植物がより健康的な成長を遂げると同時に、より豊かな葉や花を生み出すことが期待されます。
植物の形態の整理：成長の不均等や枝の密集を解消することで、植物の形態を整えることができます。これにより、植物が美しい形に整い、景観や庭の美しさが向上します。
病気や害虫の予防：不適切な成長や密集した枝は、病気や害虫の侵入経路となる可能性があります。切り戻し剪定によって、枝の間隔を広げたり、空間を作ることで、病気や害虫の発生を防ぐ効果が期待されます。
切り戻し剪定は、植物の種類や成長状況、剪定の目的に応じて行われるため、正確な手法やタイミングが重要です。適切な剪定によって、植物が健康で美しい成長を遂げることができます。
切り詰め剪定
切り詰め剪定は、植物の成長を制御し、形を整える方法です。過度に伸びたり、枝が密集している場合、必要な部分を切り詰めて調整します。これにより、植物が健康に成長し、美しい形を保ちます。また、新しい成長を促進し、病気や害虫のリスクを減らす効果もあります。庭木や植木の手入れにおいてよく使われる方法の一つです。
花がら摘み
花がら摘みは、花の枯れた部分（花がら）を摘み取ることで、植物のエネルギーを新しい花芽や成長に向ける剪定方法です。刃物を使わないケースもあります。
花がら摘みをすることで、花を長期間楽しめるようになります。
庭木の剪定に必要な道具とおすすめアイテム
庭木の剪定には、専用のハサミや脚立などの道具が必要です。
ここからは庭木の剪定で使われることが多い、基本的な道具についてご紹介します。
剪定バサミ
剪定バサミは家庭用バサミより刃が短く、厚みがあるため、硬い枝を切るのに適しています。
女性や握力に自信がない方は、グリップ部分がバネになっているタイプがおすすめです。
剪定ノコギリ
剪定バサミでカットできない太い枝は、剪定ノコギリを用いてカットをします。
剪定ノコギリはさまざまな種類がありますが、使用頻度が低い場合は、折り畳み式が収納の際に便利です。また、切りたい枝の太さや位置に合わせて、剪定ノコギリを選ぶことも大切です。
刈り込みバサミ
葉を剪定して樹木の形を整えるのに便利です。刃が長い物ほど、大きな生垣の剪定がしやすくなりますが、重量が増すのがデメリットです。力に自信がない方や女性は、コンパクトサイズを選んだほうが安心です。
植木バサミ
植木バサミは、細い枝を切る際に活用します。
剪定バサミでは扱いづらい細かい葉枝は、植木バサミで落としてください。手に握りやすいサイズ感であることが大切です。
高枝切りバサミ
高い位置にある枝を落とすのに便利なのが、高枝切りバサミです。木の高さによって、商品を選んでください。また、高枝切りバサミは、重さも重視したいポイントです。重すぎると使用する際に足元がふらついてしまいます。
体の大きさにもよりますが、日本人の平均的な体型の男性であれば、2kg以内の製品を選ぶのがおすすめです。女性の場合は、1kgを目安に製品選びをしてみてください。
その他の道具
庭木の剪定には、下記の道具もあると便利です。
脚立
掃除道具
軍手・作業着
剪定をする庭木のサイズ・規模にもよりますが、必要であれば準備をおすすめします。
庭木の剪定をプロに依頼した場合の料金相場
庭木の剪定は、日当制と単価制のどちらかで請求されることが多いようです。
日当制の場合「作業員1人につき〇〇円／日」といった風に、請求されます。費用相場としては、1人につき1.5〜3万円／日ほどです。
単価制の場合は「庭木1本あたり〇〇円」といった風に、カットする木の量に応じて合計金額が上下します。5m未満の低木・中木の場合は1本あたり1〜1.5万円ほどで済むことが多い傾向にあります。生垣や植え込みの選定を依頼した場合、5㎡以内で1〜1.5万円が費用相場です。
庭木を剪定して庭の景観を整えよう
庭木の剪定は、庭の美しさや健康を保つために重要な作業です。適切な剪定により、庭木の成長を制御し、美しい形やバランスを保ちます。剪定を行うことで、枝が密集したり不規則に成長したりするのを防ぎ、庭全体の景観を整えることができます。また、剪定によって日光や風の通り道を確保し、植物の健康を促進することも可能です。
庭木を剪定する際には、以下のポイントに注意することが重要です。まず、適切な季節や成長段階を考慮して剪定のタイミングを選びます。一般に、冬季が庭木の剪定に適した時期とされますが、植物の種類や目的によって異なります。次に、剪定する枝や部位を選び、不要な枝や交差した枝、内向きの枝などを取り除きます。これにより、植物の形態や健康を改善し、空間を確保することができます。
また、剪定作業を行う際には、適切な道具や技術を使用することが重要です。専用の剪定鋏やノコギリを使って枝を切ることで、正確な剪定が可能になります。さらに、安全を確保するためには、適切な身の回りの安全対策を講じることも重要です。
庭木の剪定は、庭の美しさや健康を維持するために欠かせない作業です。適切な剪定を行うことで、庭全体の景観を整え、美しい庭を楽しむことができます。
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